一汁一菜

【ていねいに暮らしたい人向け】土鍋玄米ご飯の研ぎ方、炊き方、冷凍保存の方法まで

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「土鍋でご飯を炊くって、美味しそう。でも、炊くのが難しいんじゃない?」

「土鍋って、ていねいに暮らしている感じがして憧れる。けど、不便じゃない?」

土鍋ご飯生活に興味はあるけれど、ハードルが高く感じて、実際に始めるまでには至らないってことありますよね。

現在では一汁一菜系食生活アドバイザーとして土鍋生活を楽しんでいるぼくにも、「美味しそうだけど、炊飯器の方が楽そうだし」と思っていた時期がありました。

「炊飯器のような保温機能が無いから大変そう」という点で二の足を踏んでいたのです。

でも、鍋の特徴を活かした運用や、冷凍保存の活用で問題は解決し、炊くまでの手順もやってみれば意外に簡単でした。

だいぶ前に炊飯器は処分し、今では家族3人ともに土鍋ご飯だけの暮らしを続けています。

なんとなく一歩を踏み出せないでいるあなた。

今回の記事で紹介する、玄米ご飯の研ぎ方、炊き方、冷凍保存の方法をきっかけに、土鍋ご飯ライフをはじめてみませんか?

土鍋生活は楽しいですよ!

土鍋でご飯を炊くメリット

土鍋

そもそも、土鍋でご飯を炊くメリットってなんでしょうか?

ていねいでシンプルな暮らしを大事にする人にとってのメリットは、シンプルでスッキリした空間と、ていねいに暮らしていると言う実感です。

土鍋は炊飯器よりも収納しやすいのでキッチンがスッキリする

キッチンには電化製品がたくさんありますよね。

炊飯器、ポット、電子レンジ、人によってはコーヒーメーカーや食洗機などなど。

モノが多いとキッチン全体がゴチャッとした印象になります。

ふとキッチンの隅に目を移した時に、電源まわりがタコ足配線になっていたりするともうストレス。

土鍋に変えれば、炊飯器分のスペースと配線がスッキリとしますし、不要な時はシンクの下などにしまっておける。

オシャレな土鍋にすれば、インテリアのようにキッチンに出しておくこともできますよね。

「ていねいに暮らしている」という実感が得られる

土鍋でごはんを炊いている時、ぼくは「ていねいに暮らしているなぁ」と実感します。

炊く作業そのもの、鍋が立てるカタカタという小さな音、吹き出す蒸気とごはんの香り。

さまざまな点で、炊飯器では得られない「じぶんの生活が心地よく、暮らしをコントロールしている」という感覚を得ることができます。

もちろん、炊飯器よりも土鍋で炊いたご飯の方が、炊飯器のものよりも美味しいと感じる点も大切なメリットのひとつです。

でももしかしたら「より美味しい」と感じるのは、ていねいに暮らしているという実感があればこそかもしれません。

土鍋でご飯を炊くデメリット

IH

そんな素敵なメリットがある土鍋ご飯にもデメリットはあります。

IH式のコンロでは使用できない

土鍋はガスコンロで使用するのが基本のため、マンションなどで導入されているIH式のコンロでは使えません。

もしIH式のコンロだけど土鍋ご飯が食べたい場合は、ポータブル式の一口ガスコンロを使うことで問題が解決します。

モノは増えてしまいますが、災害対策グッズと兼ねているとも考えられますね。

炊飯器のようなタイマーや保温機能がない

当たり前ですが、土鍋にはタイマーや保温機能がありません。

寝る前に明日の朝用の炊飯をセットしておくとか、朝イチに炊いたご飯を保温して置いて1日かけて食べる、といった暮らしができなくなります。

でも、タイマーや保温などの炊飯器の便利機能については、

  • 土鍋自体に余熱が残るので、火を止めてからもしばらく温かい
  • 土鍋で炊いたご飯は常温でしばらく置いてもパサつきにくい
  • お米がパサつきにくいので、炊いた直後に冷凍すれば、美味しいご飯がいつでも食べられる

といった土鍋ご飯の特徴を活かす事によって代用することができます。

感じかたは人それぞれですが、ぼくはメリットがデメリットを大きく上まわっていると感じています。

土鍋で炊くべきは白米か玄米か

白米と玄米

土鍋で炊くのは白米か玄米か、どちらがより相応しいのでしょうか?

最終的には、個人の好みで決めてよいと思います。

ただしぼくは土鍋生活をはじめた時点ですでに玄米食だったので、土鍋で白米を炊いた経験がありません。

ですので、これからご紹介する炊き方は、玄米を使った場合の方法になります。

なぜぼくが白米を食べないのか?

それは、玄米には、栄養価が白米よりも高い、糖質が上がりにくいので食後にボーッとしない、といった大きなメリットがあるからです。

反面、玄米は農薬などの化学物質を白米よりも多く含みやすい、といったリスクも抱えています。

そのため、玄米生活では特別栽培米や有機栽培米の選択が必要になるといった注意点も存在します。

玄米食についてもお伝えしたいことがたくさんあるので、また別の機会にお話しさせてください。

玄米ご飯の研ぎ方と保存方法

ボウル

炊き始めるまでの基本的な流れはこの通り。

  1. 計量する
  2. 研ぐ
  3. 一定の時間水に浸す
  4. 炊く直前に浸していた水を捨てる

注意ポイント

お米の研ぎ方や分量は、個人の好みや季節、お米の品種などによって最適な方法が微妙に違ってきます。記事を参考に、じぶんなりの最良の方法を探してみてください

それでは、順番に説明していきます。

step
1
計量する

玄米ご飯を計量カップで計り、ボウルに入れます。

お米は1合で180ccです。

あまり神経質になる必要はありませんが、好みの炊き加減を知るためにできるだけ正確に計りましょう。

step
2
研ぐ

研ぎ方には2通りの方法があります。

ボウルで研ぐ(時間がある場合)

研いだ後、十分に水に浸す時間が取れる(12時間以上)場合は、ボウルだけを使って研ぎます。

もちろん、ボウルではなく、お鍋などで研いでも問題ありません。

基本的にはこの方法をオススメします。

最初の水はすぐ捨てる

玄米と水をボウルに入れたら、手で軽く混ぜて、すぐに水を捨てます。

最初の水をすぐに捨てる理由は、玄米から溶け出たアクが玄米に戻ってしまわないようするためです。

そうして最初の水を流したら、再度ボウルに水を入れ、指を熊の手状にして、軽くまわします。

熊の手

おおよそ20回程まわしたら水を捨てる、これを2回ほど繰り返します。(合計3回水を入れる)

玄米がボウルから流れ落ちないように手を添えつつ、もみ殻はすべて流し捨てます。

ザルにあげる

最後にザルにあげて一度しっかりと水を切りましょう。

ボウルの上に網状のボウルをかぶせて研ぐ(時間がない場合)

炊く12時間以上前にお米を研げなかった場合の次善の方法です。

ボウルの上に網状のボウルをかぶせ、ボウルだけを使った場合と同じ要領で玄米を研ぎます。

手をまわす際、ボウルの網に擦りつけるようにすることで、玄米の表面にかすかな傷がつきます。

そうすると、玄米に水が染み込みやすくなるため、水に浸す時間を短くすることができるというわけです。

step
3
一定の時間水に浸す

玄米を研ぎ終わったら、保存容器に移し、できるだけ12時間以上水に浸しましょう。

琺瑯容器

常温の方が水の吸収が早いのですが、慣れないうちは、冷蔵庫の中で水に浸す方がよいでしょう。

冷蔵庫で保管する場合は、2〜3日は水に浸したままにすることが可能です。

雑菌の繁殖を抑えるため、一日に一度は水を入れ替えましょう。

水を代えられない、雑菌が気になるよ、というかたは、研いだお米をザルにあげてポリ袋に入れて保存しましょう。

お米の表面の水分が内部に吸収されて、水につけるよりも雑菌が繁殖しにくくなります。(水につけるよりは吸収される水分が少ないです)

ポイント

常温で1日以上水につけることで玄米を発芽させることができ、これを発芽玄米とよびます。

発芽玄米は、玄米よりも栄養価が高く、食べやすさもアップします。

常温では雑菌の繁殖が進みますので、少なくとも6時間に一回は水を変えるようにしましょう。

特に夏場は注意が必要です。

step
4
玄米を浸していた水を捨てる

炊く直前になったら、玄米を浸していた水はすべて捨てます。

玄米から出たアクで水が濁っているのが見てわかると思います。

アクと一緒に、水に溶け出た農薬などの不要な物質を取り除くことができます。

土鍋を使った玄米ご飯の炊き方

さあ、次は土鍋を使った玄米ご飯の炊き方です。

手順は以下の3ステップ。

  1. 炊飯用の水を入れる
  2. 炊く
  3. 蒸らす

step
1
炊飯用の水を入れる

玄米を土鍋に移したら、炊飯用の水を入れます。

好みや使用する鍋などの環境により相応しい水の量は変わってきますが、わが家での基本的な水の量は以下の通りです。

玄米3合あたり 水700cc 程度
玄米4合あたり 水800cc 程度

わが家はみんな固めのご飯が好きです

お米の量が多くなるにつれて、増やす水の量は少なくて済みます。

やわらか目のご飯が好きな場合は、50ccから100cc程度水を足すとよいと思います。

何度か炊けば、じぶん好みの水量が見つかりますので、メモしておきましょう。

step
2
炊く

水を入れおわったら、土鍋の蓋をして火をつけます。

ポイント

土鍋が二重蓋でかつ穴が開いているタイプの場合は、蓋の穴の位置が上下で重ならないようにします。
こうすることで、土鍋内の圧力が高まって美味しくなるとともに、吹きこぼれも少なくなります。

土鍋は普通の鍋に比べて鍋の厚みがあるため、中火で火をかけます。

10分程度すると、鍋の穴からシューッと勢いよく蒸気が漏れてきます。

勢いの良い蒸気

勢いよく蒸気が出る=土鍋の中が沸騰したことを意味します。

参考までに、このとき土鍋の中はこんな状況になっています。

その時の土鍋の中は

湯気で見にくいですが、全体にポツポツと広がっている穴をカニ穴と呼び、美味しく炊けますよーという目印です。

ふだん炊くときは、蓋はあけずに閉じたままにしておきましょう。

蒸気を確認したら、火を弱火にして30分程度待ちます。

ポイント

このとき、鍋の穴菜箸などをさして塞いでおくと、土鍋内の圧力が高まり、より美味しいご飯になります。

待っている間に別の家事をしたり、料理を作ったり、本でも読んだりしていましょう。

30分たったら火をとめます。

step
2
蒸らす

火をとめたら、蓋をしたまま10分ほどお米を蒸らします。

蒸らし終わったら蓋を開けます。

カニ穴ご飯

こんな風にたくさんのカニ穴さんとご対面できたら成功です!

次に、しゃもじで玄米をお鍋の底からエイやっとひっくり返します。

天地返し

これを天地返しとよび、土鍋の底にたまった余分な水分を飛ばす効果があります。

たっくん
おめでとうございます!以上で、玄米ご飯が炊けました!

炊きたてご飯

炊きたてのご飯を美味しくいただきましょう。

冷凍保存の方法

ご飯が炊けたら、すぐに食べる分以外のご飯は「熱いうちに」冷凍します。

冷蔵ではなく、冷凍することがポイント。

熱いうちに冷凍することで、ごはんの美味しさが損なわれず、食べる時に炊きたての美味しさを味わえます。

できるだけ空気に触れさせないようにするため、ラップかタッパーで冷凍するとよいでしょう。

冷凍保存の方法については、以下の記事で詳しく紹介しています。

合わせて読むと土鍋ごはんへの理解が深まります。

まとめ

今回は、ていねいに暮らすための、土鍋を使った玄米ご飯の研ぎ方、炊き方、冷凍保存の方法を紹介しました。

あなたの土鍋ご飯生活スタートのきっかけになれば嬉しいです。

それでは、また!

たっくん
本日も最後までお読みいただきありがとうございました!

ぼくが愛用している銀峯陶器さんの土鍋。わが家は3人家族なので5号炊きサイズです。

玄米生活と切っても切り離せないのが、有機栽培(無農薬)のお米。

有機栽培米が難しい場合は、特別栽培米を選びましょう。

お米を研ぐのに使用している、柳宗理さんデザイン、日本製のステンレスボウル。

パンチングストレーナー(穴が開いたザル状のボウル)とピッタリ重ねられて使い勝手抜群。

23センチタイプだと、お米研ぎや野菜洗いなどに大活躍です。

もう何年もお世話になっています。

お米を水に浸すのに使っているのは、野田琺瑯(ほうろう)のホワイトシリーズ。

色々とシリーズ展開がある商品ですが、スクウェアLだとお米3号〜4号を浸すのにちょうど良いサイズ感です。

日本製でデザインもオシャレ。

ていねいな暮らしとの相性抜群です。

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